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ヴィィ、ヴィィ、ヴィィ。 夜の11時過ぎ。 熱帯夜で寝れなくてベッドの上でウダウダしてたら携帯が震えた。 ディスプレイ画面を見ると『かっしー』って文字。 あたしはベッドから飛び起きて急いでボタンを押した。 『あ。のっち?』 『う、うん』 『起きてた?』 『うん』 あれ? なんか普通に喋れてるよ? 『なにしてたん?』 『暑くて寝れないから、ベッドでゴロゴロしてた』 『ふーん。じゃあね』 『え』 プー、プー、プー・・・。 切られた。 これはきっとゆかちゃんのなんらかのサインだと思って、あたしは掛け直した。 『なによ』 『なによって、こっちのセリフだよ』 『・・・』 『なんかあったの?』 『なーんもないよ』 『じゃあ、なんで電話掛けてきたの?』 『寝てると思ってイタ電しただけ』 『ほんとにそれだけ?』 『・・・ゆか、今学校の裏の公園にいるんだ』 『え!?ひ、ひとりで?』 『そーだよ』 『あ、危ないじゃん。なんでそんなとこにいるの?』 『心配だったら、迎えに来てよ』 『・・・わかった』 今度はあたしから電話を切った。 そして自転車の鍵を持って玄関の扉を開けた。 なんでこんな夜中にひとりで公園なんているんだよ。 夏の夜なんて変な奴がウヨウヨいるってのに。 なんかあったら大変じゃん。 家の人はなにも言わないのかな。 そもそも、なんであたしに電話掛けてきたの? あたしの足りない頭で一生懸命考えたけど、わからなかった。 そうこうしてるうちに公園に着いた。 自転車を思いっきり飛ばしたから汗ダラダラ。 薄暗い電灯の下のベンチにゆかちゃん発見。 「のっち!?」 ゆかちゃんは自分で呼んだくせに、あたしが来たことに驚いてる。 「ほんとに来たの?」 「来たよ。だって、ゆかちゃんが来いって言ったんじゃん」 「そうだけど、普通来る?」 「ゆかちゃんのためだったらどこでも行くよ!」 「・・・ねぇ、なんでゆかなの?」 またそれ? 「そんなん知らないよ!気付いたら好きになってたんだもん!!」 自転車をベンチの横に置いて、あたしはゆかちゃんの隣に座った。 ゆかちゃんに「飲む?」ってペットボトルのお茶を差し出されたから、あたしは「飲む」って言って飲んだ。 お茶はぬるかった。 それはゆかちゃんがここに長時間いた証拠。 「ゆかは自分が嫌いだったの」 「え?」 「毎日毎日なんの為に生きてるんだかわからんかったの」 「うん、、、」 「もうね、死んじゃいたいなーって、いつも思ってたの」 「うん」 「でもね、あやちゃんと出会ってね。死にたいって思わなくなったの。少しだけ自分が好きになったの」 「・・・うん」 「あやちゃんはゆかの人生を変えてくれた人なんよ」 「へー、、、」 「のっちにとってのゆかはそういう存在なの?」 あぁ、暑いな。 夜でもこんなに暑いってヤバくない? 地球おかしいでしょ。 風もぜんぜん吹かないし。 汗は止まること知らないし。 「ちょっと違うけど、ちょっと合ってる」 あ。 風がきた。 まるであたしに味方してくれてるみたい。 「あたしは死にたいって思ったことないけど、つまんない毎日を過ごしてた。でも、ゆかちゃんと知り合ってから、楽しい毎日になった」 「ゆかといると楽しいの?」 「めっちゃ楽しいよ」 「・・・のっちの気持ちは嬉しいけど、やっぱり応えられん、、、、ごめんなさい」 あ。 風が止んだ。 「待つよ」 「え?」 「ゆかちゃんがあたしを一番にしてくれるまで待つよ」 「なんよそれ」 「決めた!今、決めた!あたし待つ!!何年かかってもいいから、待ってるよ!」 「は?なに言ってるんよ。勝手に決めないでよ!」 中田くんに言ったら怒られるんだろうな。 『自分の気持ちを相手に押し付けてどうするんだよ』って。 だって、そうするしか方法がみつからないんだもん。 どうやって、ゆかちゃんを助け出すかなんてわかんないよ。 あたし頭よくないし。 待つの嫌いじゃないし。 こうするしか思いつかなかったんだもん。 しょうがないじゃん。 ゆかちゃんが17歳になってくれるまで待つよ!!
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○1P ○2P ○3P ○4P ○5P 1170232911.jpg ○6P ○7P ○8P 第二話へ
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六門世界セカンド ブランクキャラクターシート 【基本キャラクター情報】 名前: 年齢: 性別: 属性:/ 性格:/ 分類: 種族: サイズ: 進軍タイプ: 視覚/聴覚/嗅覚/特殊知覚:/// 生活技能:/// 【キャラクターレベルとクラスレベル】 クラスレベル 1: :◇ 1: :◇ 2: :◇◇ 3: :◇◇◇ 4: :◇◇◇◇ 5: :◇◇◇◇◇ 6: :◇◇◇◇◇◇ 7: :◇◇◇◇◇◇◇ 8: :◇◇◇◇◇◇◇◇ 9: :◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 10: :◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 最大HP: BP: 【 現在値 】【ボーナス】【 基本値 】【 初期クラス修正 】【 成長 】【段階】 【 ST 】【 + 】【 】【 10 】【 】【 】【 】【 】 【 DX 】【 + 】【 】【 10 】【 】【 】【 】【 】 【 IQ 】【 + 】【 】【 10 】【 】【 】【 】【 】 【 HT 】【 + 】【 】【 10 】【 】【 】【 】【 】 【 HP 】【 %】【 】【100%】【 %】【 %】【 %】【 】 【 攻撃力 】【 /5】【 ST 】【 0 】【 】【 】【 】【 】 【 防御力 】【 /5】【 HT 】【 0 】【 】【 】【 】【 】 【 射撃力 】【 /5】【 DX 】【 0 】【 】【 】【 】【 】 【呪文魔法】【 /5】【 IQ 】【 0 】【 】【 】【 】【 】 【 召喚術 】【 /5】【 IQ 】【 0 】【 】【 】【 】【 】 【 抵抗 】【 /5】【 変動 】【 0 】【 】【 】【 】【 】 【スペル枠】【 】【 - 】【 】【 】【 】【 】 【特殊能力】 【 特殊能力名 】【 取得クラス 】【LV】【使用】【 効果概要 】 【 】【 】【 】【 】【 】 【 】【 】【 】【 】【 】 【 】【 】【 】【 】【 】 【 】【 】【 】【 】【 】 【 】【 】【 】【 】【 】 【 】【 】【 】【 】【 】 【 】【 】【 】【 】【 】 【 】【 】【 】【 】【 】 【 】【 】【 】【 】【 】 【 】【 】【 】【 】【 】 【冒険技能】 【基準】【 技能名 】【LV】【 成長枠 】 【ST】【 力任せ 】【 】【◇】【◇】【◇】【◇◇】【◇◇◇】 【DX】【 運動神経 】【 】【◇】【◇】【◇】【◇◇】【◇◇◇】 【DX】【 応急手当 】【 】【◇】【◇】【◇】【◇◇】【◇◇◇】 【DX】【 騎乗 】【 】【◇】【◇】【◇】【◇◇】【◇◇◇】 【DX】【 気配消し 】【 】【◇】【◇】【◇】【◇◇】【◇◇◇】 【DX】【 水上生活 】【 】【◇】【◇】【◇】【◇◇】【◇◇◇】 【DX】【 手業 】【 】【◇】【◇】【◇】【◇◇】【◇◇◇】 【IQ】【 鋭敏感覚 】【 】【◇】【◇】【◇】【◇◇】【◇◇◇】 【IQ】【 情報収集 】【 】【◇】【◇】【◇】【◇◇】【◇◇◇】 【IQ】【 採集 】【 】【◇】【◇】【◇】【◇◇】【◇◇◇】 【IQ】【 追跡 】【 】【◇】【◇】【◇】【◇◇】【◇◇◇】 【IQ】【 強さ評価 】【 】【◇】【◇】【◇】【◇◇】【◇◇◇】 【IQ】【 博学 】【 】【◇】【◇】【◇】【◇◇】【◇◇◇】 【IQ】【モンスター知識】【 】【◇】【◇】【◇】【◇◇】【◇◇◇】 【IQ】【 野外活動 】【 】【◇】【◇】【◇】【◇◇】【◇◇◇】 【IQ】【 語】【 】【◇】【◇】【◇】【◇◇】【◇◇◇】 【IQ】【 語】【 】【◇】【◇】【◇】【◇◇】【◇◇◇】 【IQ】【 語】【 】【◇】【◇】【◇】【◇◇】【◇◇◇】 【IQ】【 語】【 】【◇】【◇】【◇】【◇◇】【◇◇◇】 【HT】【 我慢強さ 】【 】【◇】【◇】【◇】【◇◇】【◇◇◇】 【呪文ボーナスとスペル枠】 呪文ボーナス:IQボーナス【】+特殊能力【】=【】 【レンジ攻撃データ】 レンジ基本ダメージ:DXボーナス【】+特殊能力【】= 【】 【 射撃武器名 】【サイズ】【必要ST】【武具ダメージ】【武具ガード】【装備耐久値】【修繕費】【 補足 】 【 】【 】【 】【 】【 】【□□□□□】【 】【 】 【 】【 】【 】【 】【 】【□□□□□】【 】【 】 【メレー攻撃データ】 メレー攻撃基本ダメージ:STボーナス【】(×サイズ修正【】)+特殊能力【】=【】(両手持ち:) 【 近接武器名 】【サイズ】【必要ST】【武具ダメージ】【武具ガード】【装備耐久値】【修繕費】【 補足 】 【 】【 】【 】【 】【 】【□□□□□】【 】【 】 【 】【 】【 】【 】【 】【□□□□□】【 】【 】 【 】【 】【 】【 】【 】【□□□□□】【 】【 】 【ガード行動データ】 武具ガード合計:武器1【】+武器2【】+盾【】+その他武具【】+特殊能力【】=【】 【 盾名 】【サイズ】【必要ST】【 ガード回数 】【武具ガード】【装備耐久値】【修繕費】【 補足 】 【 】【 】【 】【 】【 】【□□□□□】【 】【 】 【 】【 】【 】【 】【 】【□□□□□】【 】【 】 ガード回数:基本【1】+特殊能力【】=(盾:) 【防護点】 防護点:HTボーナス【】(×サイズ修正【】)+防具【】+特殊能力【】=【】 【 鎧名 】【サイズ】【必要ST】【 防護点 】【装備スロット】【装備耐久値】【修繕費】【 補足 】 【 】【 】【 】【 】【 】【□□□□□】【 】【 】 【 】【 】【 】【 】【 】【□□□□□】【 】【 】 【装備スロット】 スロット数:種族基本値【】+装備品の追加スロット【】+特殊能力【】=【】 1: 2: 3: 4: 5: 6: 7: 8: 9: 10: 11: 12: 13: 14: 15: 16: 17: 18: 19: 20: 【一般装備と財産】 【その他設定など】
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UNDER THE ATOMIC CLOUD by Nagai Kayano UNDER THE ATOMIC CLOUD by Nagai KayanoPart1 Part2 Part3 Part4 Part5 Part1 I saw the atomic bomb explode. 私は、原子爆弾が爆発するのを見ました。 It happened when I was only four years old. 私がたった4歳のとき、それは起こりました。 Nothing dreadful has happened to me since then. そのとき以来、恐ろしいことは私には起きていません。 But I have never been happy, because Mommy was killed in the explosion. しかし、私は今まで一度も幸せになりませんでした。なぜなら母が爆発によって死んだからです。 I remember those terrible days. 私は、それらの恐ろしい日々を覚えています。 We lived in Urakami in Nagasaki and had airraids every day. 私たちは、は長崎の浦上に住んでいて、毎日、空襲がありました。 When the sirens began to blow, Mommy helped me put on my air-raid cap. サイレンが鳴り始めたとき、母は防空頭巾を私につけるのを手伝いました。 She put a knapsack on my back and took me to the air-raid shelter. 彼女は背にナップザックを背負い、私を防空壕まで連れて行きました。 The shelter, which I always found dark and damp, was very small and full of mosquitoes. その防空壕はいつも暗くてじめじめしていて、非常に小さく蚊でいっぱいでした。 I could not play house there. 私は家で遊ぶことができませんでした。 But I was happy because Mommy held me tight during the terrible times. しかし、私は、幸せでした。なぜなら母が恐ろしい時間の間私をしっかりと抱きかかえていたからです。 At other times, she was too busy. それ以外のときは、彼女はとても忙しかった。 Lots of bombs fell near our house, so Daddy and Mommy decided to send Makoto, my brother, and me to Koba. 多くの爆弾が家の近くに落ちたので、父と母は兄弟である誠と私を木場に送ることを決めました。 My grandma lived there. 私の祖母はそこに住んでいました。 Her house was on a hill. 彼女の家は丘に建っていました。 On August 5, Mommy took us there and left us with my grandma. 8月5日に、母は私たちをそこへ連れてきて、祖母に私たちを預けました。 Part2 On August 8th, Mom came to see us. 8月8日、母は、私たちに会いにきました。 She brought me the mompe she had just made for me. 彼女は、彼女が私のためにちょうど作ってくれたもんぺを持ってきてくれました。 Suddenly we heard the air-raid sirens. 突然、私たちは空襲警報を聞きました。 Mom hurried back to Urakami to see if everything was all right. 母は、急いですべてことが大丈夫だったか見るために浦上に戻りました。 Before she ran down the hill, she patted me on the head a and promised, "Next time I ll bring tempura and manju." 彼女が丘を下る前に、私の頭をぽんぽんと叩き、約束した。「次のときは、てんぷらと饅頭を持ってくるつもりだからね。」 The next morning I missed Mom, and so did Makoto. 翌朝、私は母がいなくてさびしくて、誠も同じでした。 We decided to go to Urakami. 私たちは浦上へ行くのを決めました。 We were just going out. 私たちはちょうど外へ出かけていました。 Then the air raid sirens started again. そのとき、空襲警報が再び始まりました。 Soon we heard the sound of a plane. すぐ、私たちは、飛行機の音を聞きました。 We were very disappointed because we had to give up going to Urakami. 私たちはがっかりしました。なぜなら浦上へ行くのをやめなければならなかったからです。 Cicadas were making a lot of noise. せみは大きな鳴き声を出していました。 Suddenly there was a great big flash. 突然、大きな閃光がありました。 It was like lightning. それは稲妻に似ていました。 I didn t know what it was. 私にはそれが何か分かりませんでした。 There was a big noise, then came a strong wind, which almost blew me over. とてもうるさく、強い風が来て、ほとんど私を吹き飛ばしました。 I lay down on my face and stayed there with my hands over my ears. 私は、うつぶせに倒れ、両手で両耳をふさいで縮こまりました。 After a while, I took my hands away from my ears. しばらくして、私は耳から手をとりました。 I couldn t hear the cicadas. 私はせみの声を聞くことができませんでした。 They weren t singing anymore. 彼らは誰も歌っていませんでした。 I opend my eyes and got up. 私は目を開け、立ちました。 Oh, my! ! What a terrible sight! なんてひどい光景だ! Part3 From the other side of the big green mountain, a great red pillar was sticking up into the sky. 大きな緑の山の反対側から、大きな赤い柱が空へ立ち上っていました。 It was a big, big pillar of fire. それは、おおきな、おおきな炎の柱でした。 The top of it was like a morning glory. その先は、あさがおに似ていました。 Swelling and swelling, it went up and up, higher and higher, like smoke from a chimney, all the way up to the sky. どんどん膨れながら、それは、空いっぱいに、煙突のように、高く高く上っていた。 Then the whole thing turned gray and spread all over the sky. そのとき、すべてのものが、灰色になり、空全体に広がりました。 The sun, which I looked up at through the cloud, was the color of something dead. 私が雲を通して見上げた太陽は、死の色でした。 I saw lots of black smoke coming from the other side of the mountain. 私は、山の反対側から多量の煙がやってくるのを見ました。 My brother said, "Urakami s been hit!" 弟が言った。「浦上がやられた!」 After a little while, the cicadas began to sing again. 少しの間の後、せみは、再び鳴き始めました。 Fujie, Sadako, and Ritsuko came along in the evening. 藤江と聡子と律子が晩に一緒にやってきました。 I asked, "where is Mom? Is she coming later?" 私は聞いた。「お母さんはどこ?後から来ますか?」 Fujie didn t answer but just took me in her arms and cried and cried. 藤江は答えませんでしたが、ただ、腕に私を抱き、泣きました。 I couldn t understand why Mom didn t come with the tempura and the manju. 私は、なぜ母がてんぷらと饅頭と来てくれなかったか理解できませんでした。 But the tempura and the manju were not what I really cared about. しかし、てんぷらと饅頭は、私が本当に心配したことではありませんでした I just wanted to be with Mom again. 私はただ、母と再び一緒にいたかっただけです。 Fujie said, "Everybody s dead, everybody." 藤江が言った。「みんな死んだの。みんな。」 Part4 Two days later, Dad came along at last. 二日後、ついに父がやってきました。 What a sight he was! なんて彼はひどい様子なのでしょう! His head was all wrapped in bandages, which were stiff from dried blood. 彼の頭はすべて乾いた血によって固まった包帯で巻かれていました。 His clothes were also stiff from dried blood. 彼の衣服も乾いた血によって固まっていました。 His face was pale, and his eyes were glaring! 彼の顔は青ざめていて、彼の目はにらみつけていた。 My brother and I were afraid to go near him. 弟と私は父に近づくのを恐れていました。 My brother was so shocked that he let go of the cicada that he was holding. 弟はショックを受け、持っていたせみを逃がしてしまいました。 Lots of doctors and nurses were with Dad, who was a doctor, too. 多くの医者と看護士が医者である父と共にいました。 The house was filled with with the smell of medicine. 家が薬のにおいで満たされました。 After they took a short rest, they all went out to treat wounded people. 彼らは少しの休憩をとった後、みな、負傷した人々の治療のため出かけました。 There were so many, many wounded people in and around Urakami, the doctors and nurses said. 「とても多くの負傷した人々が浦上の内外にいる。」医者と看護士が言いました。 What had looked like a red pillar sticking up into the sky had killed and wounded lots and lots of people, Dad said. 「空へ上っている赤い柱のように見える何かが人を殺し、多くの人を傷つけた。」父が言った。 He said it was not an ordinary cloud but that it was an atomic cloud. 彼はそれが普通の雲ではなく、原子雲だといいました。 Ritsuko died. 律子は死にました。 Before she died, she coughed up alot of blood. 彼女が死ぬ前、多くの血が出ました。 Every day lots of people died everywhere. 毎日、多くの人々がどこかで死にました。 Part5 Later that year, there was a big funeral service for the people who had died. 年に暮れに、死んでしまった人のための大きな葬儀がありました。 It was held on the grounds of the Tenshudo, which itself had been ruined. それは天主堂の広場で開かれました。しかし、天主堂自体そのものは破壊されてしまいました。 The relatives of the dead held white crosses, 8,000 in all. なくなった人たちの親類は白い十字架を全部で8,000本立てました。 I held a cross with Mom s name on it. 私は母の名前をそれに乗せ立てました。 The number of white crosses was larger than the number of people present at the service, which made everyone cry. 白い十字架の数は式に出席していた人の数よりも多かった。式はみなを泣かせました。。 After the service we visited Mom s grave. 式の後、私たちは母の墓をたずねました。 On the grave there was a little stone which Dad had put there. 墓の上に父がおいた少量の石がありました。 We set up the white cross I had carried at the funeral service. 私たちは葬儀のとき運んできた白い十字架をセットアップしました。 That happened four years ago. それは4年前に起こりました。 Dad has been sick in bed ever since. 父はそれ以来ベッドで病気になってしまいました。 He has lost a lot of weight. 彼はとても体重が減った。 He is so thin now, but I am getting very big and tall. 彼は今、細いですが、私はとても大きく、高くなっています。 Mom s grave does not get any bigger or any smaller. 母の墓は大きくも小さくもどちらにもなっていません。 Whenever I visit her, the stone and the cross just stand there. 私が母を訪ねるときはいつも、石と十字架がそこにたっています。 Now I can read what Dad wrote on the cross four years ago. 今、私は4年前に十字架の上に父が書いた文字を読むことができます。 Marina Nagai Midori. Died August 9th, 1945. まりな ながい みどり、1945年8月9日死す。
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9月1日。 夏休みが終わってもまだ夏の暑さは変わらない。 蒸し風呂のような体育館で校長先生のどうでもいいながーいお話を聞く。 始業式が終わり教室に戻ると、いつにも増して眠そうな顔のゆかちゃん。 「ゆかちゃん眠たそうだね?夜暑くて寝れなかった?」 「あんたのせいよ」 「へ?」 「あんたが夢に出てきたから寝れなくなっちゃったんですけど!!」 「あ、、、、。ごめんなさい」 「ゆかの夢に勝手に出てこないでよ!あんた最近、毎晩のように出てきてしょうがないんだけど!!」 「ご、ごめん・・・」 ゆかちゃんはプンスカと怒っちゃって、鞄を持って教室を出た。 「あっ!待ってよ。一緒に帰ろうよ」 あたしも鞄を手にして急いで後を追いかける。 「嫌じゃ!」 「な、なんで?いいじゃんよぉ」 「のっちと一緒にいると、また夢に出てきそうで嫌だから。ゆか、ひとりで帰る!」 「えぇぇぇ!?」 あれー? これってなんだか振り出しに戻っちゃった感じ? 久々にこんなに拒絶されてしまったよ。 でもさ、夢に出てきたのはあたしのせいじゃないじゃん。 その理由で怒られるのってあまりにも理不尽だと思いませんか? シュンと肩を落としてると、あ〜ちゃんに声を掛けられた。 「のっち?どしたん?まだ帰らんの?」 「カエリマス、、、」 「・・・ゆかちゃんとなんかあったん?」 「夢に出てくるなって怒られたんです」 「・・・それって、すごくない?」 「へ?」 なにがすごいんだか・・・。 こっちは結構ヘコんでるんだぞ。 「すごいすごい!」 「は?」 「いやーwやっぱりやれば出来る子じゃね。先生の目は間違ってなかったわ!」 あ〜ちゃんに背中をバシバシ叩かれて痛い。 「そう言えば先生もうすぐ結婚式ですよね?」 「うん。ウエディングドレスのために3kg痩せたんよw」 「3キロ!?すごいっすねw」 そう言われると春に比べると、あ〜ちゃんはほっそりして益々綺麗になっていた。 きっと本番は誰もがうっとりする花嫁さんになるんだろうな。 その姿を見るゆかちゃんはどんな気持ちになるんだろう。 自分がもしそんな立場だと思うと・・・。 切ないを通り越して、苦しいよ。 「先生・・・」 「ん?」 「しあわせになって、くださいね・・・」 「・・・うん」 あ〜ちゃんはあたしの頭を撫でて「のっちは優しい子じゃね」ってフワっと笑ってくれた。 優しくなんてないよ。 今は優しさよりも強さが欲しい。 ゆかちゃんを助けてあげられる強さが欲しいよ。
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『もしもし。ゆかちゃん?』 『なんよ?』 『ねぇ、花火大会いこうよ♪』 『あんた、待つんじゃなかったの?』 『うー、そうだけど。それとこれは別だよ〜』 『なにが別よ!』 『だからー、付き合うとかじゃなくてぇー。オトモダチとして一緒に行きませんか?』 『最近ののっち、イジワルでしつこいから嫌だ』 えー。 それって酷くね? 『イジワルもしないし、しつこくしないから。いこーよー。花火綺麗だよ〜』 『えー。どうしよっかな』 もったいぶるなよ〜。 『いーこーおーよー』 『えー・・・』 『行こうよ!行こうよ!行こうよ!行こうよぉぉぉぉぉ!!!!!!!!』 『、、、っわかった!わかったわよ!行くわよ!行けばいいんでしょ!!』 『よっしゃ!!じゃあ、明日5時に駅前ね〜』 『はいはい』 翌日の午後5時の駅前。 ゆかちゃんは時間通りにちゃんと来てくれた。 あたしは絶対に遅れちゃいけないと思い、なんと1時間前から待っていた。 おかげですでに汗ビッチョリ。 「なんだ。浴衣じゃないんだ」 「は?」 「ゆかちゃんの浴衣姿見たかった」 「は?なに言ってるん」 ふん。そんなにムスっとしなくてもいいじゃんか。 花火がよく見えるスポットに行ってみると、すでに人だかり。 ビニールシートを敷いてお酒を呑んでる大学生っぽい人たち。 このくそ暑い中いちゃついてるカップル。 カキ氷をおいしそうに食べてる子供たち。 あたしたちはその中に混じって、暗くなるのを待った。 「ゆかちゃん。知ってる?」 「なにを?」 「この花火大会を一緒に見たカップルって幸せになるって話」 「へー。初めて聞いた」 だからゆかちゃんと来たかったんだ。 別にカップルじゃないけど、もしかしたらそのジンクスのご利益であわよくば付き合えたらなんて思ったんだ。 そんなこと口が裂けても言えないけどさ。 「あ。始まった」 広い夜空に大きい花火が咲き乱れる。 「すっごーーーい!!!」 ゆかちゃんは小さい子供みたいに大興奮。 さっきまでムスっとしてたのに花火がうち上がった瞬間からニコニコ顔。 まるで子供みたいだ。 「すっごいよ!ねぇ、のっち。すっごいよ!見た?今見た?」 ゆかちゃんは視線はずっと花火だけど、あたしのTシャツの袖をグイグイ引っ張ってる。 それがとてもくすぐったくて嬉しかった。 あたしは隣のゆかちゃんが興奮してるせいなのか、花火を見るのを疎かになってしまった。 「キャーーーー!!!」 フィナーレの連続花火で悲鳴を上げるゆかちゃん。 気付けば周りの人たちも同じように声を上げていた。 あたしはやっぱりフィナーレでも、Tシャツの袖を掴んでるゆかちゃんの手が邪魔してちゃんと見れてなかった。 「わーー!めっちゃドキドキしたww」 「ね。ドキドキした〜」 ゆかちゃんは花火でドキドキしたんだろうけど、あたしはゆかちゃんでドキドキしたんだよ。 「すごい人・・・」 花火が終わるとみんな一斉に駅へと向かうから一面人だかり。 肌と肌が密着するくらいの混み様。 「ゆかちゃん!」 あたしははぐれないようにゆかちゃんの手首を掴んだ。 「わっ!」 人ごみに流されそうになったゆかちゃんを引っ張る。 「ありがと」 「うん」 引っ張った拍子にゆかちゃんと密着する形になってしまった。 「ご、ごめん。汗でベトベトして気持ち悪いよね・・・」 「しょうがないじゃん。こんなに人がいるんだもん。ゆかも汗かいてるしw」 汗ばんだ腕と腕が引っ付きあう。 そこから体温が2℃ほど上がった気がした。 「のっち」 「ん?」 「放さなんでね」 「う、うん」 そんな間近でそんな事言わないでよ。 また体温が上がっちゃうじゃん。 あたしたちはくっ付きながら人ごみに流されながら駅に向かう。 「あ!」 急にゆかちゃんが大きな声を上げた。 「な、なに?」 「あやちゃんだ」 「え」 「あやちゃんがいた!」 そんな。 こんな人ごみの中で見つけたの? あたしの視界には見当たらないけど。 「のっち!あやちゃんがいた!」 そんな事言われてもどうすりゃいいの。 「え?ゆかちゃん?」 ゆかちゃんは人の流れとは逆に行こうとしたから、それは危険だと思い掴んでた手の力を強めた。 「放して!」 え。 今さっき放さないでって言ったばっかじゃん。 「でも・・・。人がいっぱいいて危ないよ」 「大丈夫!!だから放して。あやちゃんとこ行ってくる」 「でも、、、」 ゆかちゃんはまたムスっとした顔して、あたしの手を振り払った。 そして人ごみの中へ消えていった。 あたしは流されてゆかちゃんとはぐれてしまった。 どんどんふたりの距離が離れていく。 あっという間に、ゆかちゃんの姿が見えなくなった。 本当にあ〜ちゃんがこの場所にいたんだろうか。 だとしたら見つけたゆかちゃんはそうとう目がいいってことだよね。 それとも”特別”なあ〜ちゃんだったから見つけられたのかな。 だとしたらこの場でゆかちゃんを見つけられないあたしってなんなんだろう。 振り払われた右手にはまだゆかちゃんの腕の感触が残ってる。
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犬井知香の偽身。 “ケルベロス”の物質操作。 三挺拳銃ケルベロスを強化し、使いこなす能力。 それは空間跳躍や変形、質量増加等までにいたる。 ⇒犬井知香(いぬいちか) ⇒ケルベロス ⇒物質能力(まてりある)
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「・・・で、俺は何をすればいいの?」 「慰めてよ」 「慰めて、、、だと?・・・彼女でもないのに、勝手に人んちに上がり込む奴に慰めの言葉なんて思いつかないね!!」 「彼女だったら勝手に上がりこんでいいの?」 「・・・大本さん。着眼点間違ってるよね?」 完全にあたしを白い目で見てる中田くん。 「大本さんはガキなんだよ」 「あの・・・慰めてって言ったよね、さっき」 「自分の気持ちばっかり相手にぶつけてどうすんだよ。思いやりがねーよ」 『思いやり』 中田くんの口からそんな言葉が出るなんて思いも寄らなかった。 「樫野さんの立場になって考えてみろよ?」 「ゆかちゃんの?」 「そうだよ。自分の好きな人は兄貴の婚約者で、友達に告られてちゃんと断ったのに、そいつにすげー責められたんだぞ?」 あ・・・。 「ねぇ、中田くん」 「あ」 「もしかして・・・あたしって、すげー酷いことしちゃった?」 「いまさらわかったか。バカめ」 「ど、ど、ど、どうしよう!!どうしたらいい?ねぇ、中田くん!?」 あたしは必死に中田くんの肩にしがみ付く。 「と、とりあえず、放せ!」 「あ。ごめん」 「大本さんはどうしたいの?」 「へ?」 「樫野さんとはどういう風に関わっていきたいの?」 「うー・・・。出来たら付き合いたい」 「でも、無理だろ。向こうは大本さんのこと、そういう対象で見てないんでしょ?」 「そうです」 「じゃあー、今まで通りに友達?それとも絶交?」 「絶交だけは嫌!!それだけは嫌だ!!」 「じゃあー、それを相手に伝えればいいんじゃね?」 「どゆこと?」 「もー。頭の回転わりーな。とりあえず謝れ!自分の非を認めろ!後は自分で考えろ!そろそろ俺離れしてくれ」 謝る・・・。 ていっても、そんな簡単にいかないよ。 だって話し掛けようとしても無視されるし。 メールしても返信こないし。 あーあ。 ウダウダしてて、気付いたら夏休み前日になってるし。 もう、ほんとにヘタレな自分が嫌。 成績もイマイチだったし。 どうすんだ。 「のっち!!」 ひとり寂しく帰ろうとしたらあ〜ちゃんに呼び止められた。 「はい?」 「もー、シャキっとしんさいよ!夏ばてはまだ早すぎじゃろw」 ゆかちゃんはこの人が好きなんだよなって改めて思った。 「ゆかちゃんとなんかあったん?」 「え?」 「最近一緒にいるとこ見とらんけぇ。ゆかちゃんに訊いても、なんもないの一点張りなんじゃけど」 「あぁ・・・。ちょっと、あたしが怒らせちゃったんです」 「なにしたん?」 「ゆかちゃんの・・・弱い部分を刺激しちゃったんです。それでちょっと・・・」 あたしはわざとあ〜ちゃんの目を逸らさずにまっすぐ見つめて伝えた。 その行動が伝わったのかはわからないけど。 「そう、なんじゃ・・・」 あ〜ちゃんの声のトーンが低くなったのは確か。 「のっちはさ、やれば出来る子だと、先生は思っとるんじゃけど・・・」 「え?」 「ひとつお願いしてええ?」 「あたしに出来ることなら・・・」 「きっとこれはのっちにしか出来んと思う。だから二人を同じクラスにしたんだからw」 「え?」 「ゆかちゃんを17歳にしてあげて」 はい? あ〜ちゃん、この暑さでやられちゃった? だってうちらはみんな17歳だよ? 「先生・・・言ってる意味がわからないんすけど・・・」 ふふって笑うあ〜ちゃんの首筋から一筋の汗が流れた。 「あの子は13歳のままなんよ」 「はい?」 「だから、のっちがゆかちゃんの止まってる時間を動かしてあげて」 「13歳になんかあったんですか?」 あ〜ちゃんは困ったように笑ってこう言った。 「あたしと初めて出会った歳」 あ〜ちゃんはゆかちゃんが自分のこと好きなこと知ってんの? あたしがゆかちゃんのこと好きなの知ってんの? 自分がゆかちゃんを助けてあげられないから、ゆかちゃんを好きなあたしにそんなこと頼むの? と、色々訊きたかったけど訊けなかった。 それ以上あ〜ちゃんは何も言わずに、涼しい職員室に戻っていった。 蒸し風呂みたいな教室に取り残されたあたしはどうしたらいいんでしょうか。 好きな人を怒らせちゃう自分勝手なあたしが果たして助けることなんて出来るんでしょうか。 そもそもどうやって助けたらいいんでしょうか。 中田くんに相談したいけど、中田くん離れしろって言われたばっかりだし。 高校最後の夏休み。 あたしはかなりの難題の宿題を渡されてしまった。
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ショックトルーパーズ セカンドスカッド 【しょっくとるーぱーず せかんどすかっど】 ジャンル アクションシューティング 対応機種 アーケード(MVS) 発売・開発元 ザウルス 稼動開始日 1998年 レーティング CERO B(12歳以上対象) 配信 バーチャルコンソール【Wii】2012年9月18日/926ポイントアケアカNEOGEO【Switch】2017年6月8日/823円【PS4】2018年3月1日/823円【One】2018年3月1日/842円(税8%込) 判定 なし ポイント 舞台先を一新した続編ボリューム縮小化ながらも正当進化 概要 ストーリー 登場人物 主なシステム 評価点 賛否両論点 問題点 総評 家庭用移植 概要 1年前にリリースされた縦スクロールアクションシューティング『ショックトルーパーズ』の時系列上の続編。 前作の2年後を描いた内容となっており、プレイヤーキャラ達も全員新規キャラながら前作のキャラと縁のある面々が揃っている。 前作と同じ路線のアクションシューティングだが、本作からの新要素もある。 二人同時プレイ可能。全5ステージ(*1)構成。 ストーリー + 長いので格納 1999年4月、東南アジアの新興国ビルバーグ。 それまで発展途上であったこの国は、ジャパンマネーをはじめとする海外資本の流入と先進国による経済援助によって急速な発展を遂げていた。 しかし、その発展の要となったのは軍事兵器産業の一面が大きく、また急速な発展に対し、社会制度の整備や国民の意識が追従できなかったことから政情・世相とも極めて不安定であった。 そんな中、平和主義者として名高い時の大統領エディ・アクセルはこの国の産業構造の転換から社会制度の拡充を計るため、軍備及び兵器産業の段階的縮小政策を打ち出した。 軍事産業を基幹とし、あらゆる産業に関わる世界有数の超巨大複合企業体「ダイオ・インターナショナル・コーポレーション(DIC)」グループ。 ビルバーグの発展はこの企業の功績によるものといっても過言ではなく、政治経済界に多大な影響力を持っていた。 同年5月、DICに突然異変が起きた。国家的軍縮政策を受け入れたDIC総帥が突然謎の病死を遂げ、その実権は軍事部門最高責任者であるダイオ重工の社長だったナカトミに移される。 DICの中枢を握ったナカトミは軍縮政策を拒否し、平和主義路線を貫くビルバーグと対立した。 同年7月某日未明。謎の軍隊がビルバーグの首都ゴルドマを占拠。いくつかの都市が原因不明の大爆発により一瞬にして壊滅した。 電力供給はストップし、全ての通信システムがダウンしたことに加え、正規軍施設も何故か機能せず軍部及び政府は瞬く間に敵の手に落ちた。 その原因はナカトミの指示による新兵器のデモンストレーションを兼ねた、DICとその私設軍によるクーデターであった。 大統領官邸を占拠したナカトミは全世界に向けて新政府の樹立を宣言。72時間以内にその存在を認知するよう求めた。さらに否認及び他国による軍事介入が行われた場合は新兵器による報復も辞さないと・・・ ビルバーグはDICの暴虐に襲われ、世界的な危機に発展しつつあった。 宣言から5時間後・・・事態を重くみた政府は国連安全保障理事会を緊急招集。国連平和維持軍の派遣を行うことを決定。 但し、米国防省による認知期限時間内の特殊工作の成功が前提条件とされた。 かくして、2年前に凶悪テロ集団「ブラッディスコーピオン」を壊滅させた「デルタストーム作戦」の総指揮官であった、アンダーソン米国陸軍中佐のもと、凄腕の実力を持つ4人の傭兵(スペシャリスト)が召集された。 登場人物 + 操作キャラクター スペシャリストの4人 「レオン」…本作の主人公にして、メンバー最年長42歳(!)のアメリカ人男性。鍛えられた巨体と知的な頭脳を併せ持つ、スペシャリストのリーダー格。アメリカ陸軍少佐として前作主人公ジャッカルを国防省の極秘任務下で鍛え上げた上官でもあり、師弟でシリーズの顔を務めることとなる。外見がどう見てもジャン・レノのパロディ(*2)なのはご愛嬌。 主人公にして典型的パワーキャラだが、ジャンプによる回避行動が重要な本作のゲームバランスに合った性能を持つ。攻撃判定をしばらくその場に残すスプレッドショット、高い火力と敵弾消去性能を兼ね備えながら20発までストックできる特殊兵器が使いやすく、攻撃力は随一。防御力も高い。鈍足(緊急回避動作中のほうが通常歩行より早い)をカバーする立ち回りができれば強い。 「エンジェル」…フランス人女性。陸上の戦闘員ではなくアメリカ海軍のパイロットが本業でありながら、その戦闘力はメンバーの中でも勝るとも劣らない。圧倒的プロポーションと美貌に目を奪われがちだが、実はレオンに次ぐ年齢。三十路(*3)。前作のマリー・ビーとは親友。 テクニカルな雰囲気に反し、バランスタイプの性能のキャラ。しかしこれといったウリに乏しく、特殊兵器もやや使い勝手が悪い。バグに近い細かい操作テクニックと相性が一番良いという隠れた利点はあるものの、総じて辛い戦いを強いられる。上級者向け。 「ルル」…日系三世女性。メンバー最年少で戦闘経験は浅いが、射撃大会で優勝経験があるなど確かな実力の持ち主。貧乳というより小柄、いかにもボクっ娘といったイメージのボーイッシュな見た目だが、一人称は「あたし」。アンダーソン米国陸軍中佐の親戚筋で、今回の任務がプロとしての初仕事でもある。 スピード系、ワイドショット系のキャラ。射程が有限とはいえ圧倒的攻撃範囲を誇るワイドショットにより、雑魚戦時の掃討能力はピカ一。特殊兵器は10発しかストックできないものの威力は高めで、使い勝手は悪くない。彼女もバグに近いテクニックと相性が良い。標的が小さい場合火力不足に陥り易く、防御力が最低なため、ボス戦でいかにミスをしないかが大切になる。 「トーイ」…アメリカ人男性。レーザー系の特殊な武器の扱いを得意とする、天才的頭脳の持ち主。しかし、素ではダンス好きでファンキーな性格の青年。幼い頃、親に捨てられた施設育ちの孤児で元は麻薬中毒者だったが前作のビッグママに捕まって無事に更生した過去を持ち、CIA捜査官としてレオン達に同行している。 レーザーショットの攻撃範囲が狭い上、思いのほか威力にも欠ける。また画面上の表示弾数が少ないため、処理落ちによる恩恵を受けにくい、システムに恵まれない点を密かに併せ持つ。特殊兵器も自分の周りを爆発で覆うタイプで、リーチが短い。ただし単発攻撃力は最強で、敵弾消去能力もあるため撃つべき場面を見極めれば使える。最も稼げる(*4)が、ある意味エンジェル以上に上級者向けのキャラ。 + その他の人物 その他の人物。 「レジスタンス」…海軍基地解放ルートの後半(ステージ3)に登場。ダイオによる残忍な武力行使にも屈しない勇敢な戦士達。 「ナカトミ」…日本人男性。ダイオ重工の社長の肩書きを持つ一方で、己の欲の為ならダイオ私設軍隊の軍事力を用いて邪魔者を排除する独裁者でもある。本作の表面上の黒幕。 「スネーク将軍」…国籍不明男性。ナカトミを影で操っていた、本作における真の黒幕でありラスボス。なお、ゲーム中ではその名前を明かされない(ネオジオフリークなどの別媒体で明かされている)。 主なシステム + 長いので格納 プレイヤーキャラセレクトについて ゲーム開始前に4人から使用したいキャラを1キャラ選択 各使用キャラには「メインショットの攻撃性能・移動スピード・耐久力・特殊武器の効果及びストック数」の違いによる差別化が図られている。 二人同時プレイ時での同キャラ選択は不可。なお、前作でいうところのチームバトル(3人選択制)は本作では廃止されている。 ステージ構造について 本作のステージ2~3は2ルートから択一でのるステージ分岐制を採用している。 ステージ1は固定で、ステージ1クリア後に「空軍基地ルート」か「海軍基地ルート」の選択ができ、どちらを選んだかによってステージ2~3の内容が変化する。 ステージ3クリア後は再び一本道となり、残りのステージ4~5を戦うこととなる。 最終面であるステージ5に関しては、ダイオ本社ビルのエントランスを制圧してから内部の3部屋を任意の順番で制圧、3部屋全てを突破するとラスボス戦に突入する構成となっている。 各ステージの道のりを表に示すと以下の通りとなる。 空軍ルート 海軍ルート stage 1 第二分隊出撃せよ stage 2 空軍基地を奪還せよ 海軍基地を奪還せよ stage 3 機動部隊を追撃せよ レジスタンスと合流せよ stage 4 首都占領軍を突破せよ stage 5 ダイオの野望を粉砕せよ 操作系統 本作はレバーと3ボタン(A・B・C)を使用する。Dボタンは使用しない。下記では使用キャラ時と、乗り物搭乗時の操作系統を紹介する。 使用キャラ時の操作系統 レバーで使用キャラの8方向移動、兼キャラの向き方向の位置調整。 Aボタンでキャラが向いている方向へメインショットを放つ。 Aボタンを押しっぱなしにすると、キャラの向きをその時の向きで固定した状態で移動しながらのメインショットを放てる。移動速度が通常時より若干落ちるので、注意が必要。 ショットを撃っていない状態で人型の敵に接近してAボタンで近接攻撃が出せる。(ほぼ隠し操作だが、近接攻撃も射撃攻撃と同様に自由方向と方向固定を使い分けられる) Bボタンで回転ジャンプ動作を行う。ジャンプ中は一切の攻撃ができないが、前作の前転動作とは異なりジャンプ中もレバーによる自由な移動が可能(ジャンプ中の移動速度は全キャラ共通)。この動作は完全無敵の回避行動となる上、着地した瞬間も全く隙が無いという、アクションシューティングの常識から外れた超強力な性能を持つ。ただし、敵弾の上や地雷の上に着地すると流石にダメージを受ける。 Cボタンでキャラが向いている方向へ特殊武器を放つ(特殊武器が全方位攻撃のトーイのみ向きの概念が無い)。特殊武器は使用回数に限りがあり、当然ながらストックが尽きると投げようとするモーションが不発して発動しなくなる。 乗り物に近づいた状態でジャンプするとその乗り物に搭乗し、それを操作できる(下記)。 乗り物搭乗時の操作系統 レバーで乗り物の8方向移動、兼乗り物の向き方向の位置調整。 Aボタンで乗り物が向いている方向へメインショットを放つ。 Aボタンを押しっぱなしにするとチャージショットの準備動作。画面下のゲージが1本以上、2本以上、3本の3段階で、任意の段階でボタンを離すと発射。 Bボタンで乗り物から降り、使用キャラの生身状態に戻る事ができる。 A・Bボタン同時押しで乗り物を向いている方向へ自爆突撃させる「ショックアタック」。強制的に降車し、乗り物が大破してしまうが凄まじい威力。 乗り物について ステージ内の特定場所には「乗り物」が放置されており、上記の操作を行えばそれに搭乗できる。 乗り物搭乗中にダメージをもらっても、ダメージは乗り物側の負担となり、使用キャラ側のライフに影響を及ぼす事はない。 乗り物は専用のメインショットでの攻撃手段となる。また、人型の敵は移動しながら触れるだけで倒せるようになる。 乗り物搭乗中は使用キャラ時でいうところの「方向固定・ジャンプ動作・特殊攻撃」の行動は一切行えない。 乗り物という関係上、喰らい判定が使用キャラ時のそれよりもかなり大きい(一応、見た目よりはかなり小さい)。敵弾をかなり避け辛くなるので、長期の乗り回しは難しい。なお、一部ステージでは移動演出の都合上ボス戦に持ち込めない。 「乗り物のダメージ蓄積が限界を超えてしまう」か「ショックアタックを行う」と、乗り物は大破してしまう。前者の場合は一定時間経過すると乗り物が爆発してしまう。その間に乗り物から降りずに放置していると、乗り物の爆発に巻き込まれ搭乗キャラがダメージを受ける。 乗り物には以下の3種類がある。 「ノーマル戦車」…攻撃範囲が狭いメインショットを放てる戦車。移動スピードは遅い。溜め撃ちは貫通性能と高破壊力を誇る一方向ショットが放てる。 「武装トラック」…攻撃範囲が広めのメインショットを放てるトラック。移動スピードは速い。溜め撃ちは360度方向に砲台を回転させながら撒くショットが放てる。 「警備ロボット」…攻撃範囲が広いメインショットを放てるロボット。移動スピードは並。溜め撃ちは射程こそは短いものの超絶級の威力を誇るパンチが放てる。 特殊なボーナスについて 本作は以下の行動を起こす事で、特殊なボーナス(スコアアップなど)が入る仕組みとなっている。 「追い討ちボーナス」 人型の敵をメインショットで撃ち込むと、すでに倒した状態であっても追い討ちができ、完全に事切れるまで撃ち込みスコアボーナスが入る。 また、追い討ち中に撃ち込みながら人型敵に接近し、接近攻撃でとどめを刺すというテクニックも可能。 「近接攻撃ボーナス」 人型の敵を近接攻撃で倒すと必ずアイテムを落とす上、撃破スコアに倍率がかかる。更に、自機が生身の状態で近接攻撃だけで敵兵を倒していくと更に高い倍率がかかっていき、倍率は最高で8倍まで上がる。「生身の状態で近接攻撃以外の攻撃を繰り出す」か「生身の状態で被弾する」か「ステージクリア」で倍率はリセットされる。敵に接近しなければならない危険を伴うが、これを利用すればスコアアップやライフ回復のチャンスを図れる。ただし、出現するアイテムはランダムなので欲しいアイテムに限って出ないことも普通に起こる。また、画面上に一定数以上のアイテムが出ていると近接攻撃で敵を倒してもアイテムが出なくなるので注意。 「ボムまとめ倒しボーナス」 ボムで複数の敵をまとめて倒すとスコアに倍率がかかる。最高で8倍。ミサイルなど破壊可能弾も、基本点は0点だが倍率上昇の対象(他の敵とまとめて倒すと他の敵を高倍率にすることもできる)。 「乗り物攻撃ボーナス」 乗り物のチャージショットで敵を倒すとスコアに倍率がかかる。溜め撃ちまでの溜めが長ければ、倍率の数値がより高くなる。倍率は最高で6倍。 「逃走者救出ボーナス」 ステージ内には時折助けを求める「逃走者」が逃げている。これに使用キャラ(乗り物)が触れると「美女」か「ドクロ」のどちらかに変化する。 逃走者が美女だった場合、そのまま画面端まで逃してあげれば19990点。但し、逃走中に美女をプレイヤーが攻撃すると誤射扱いとなり逆にスコアが19990点差っ引かれてしまう。(スコアが19990点未満の時に美女を誤射すると0点になる) 逃走者がドクロだった場合、その場で自爆してしまう。これに使用キャラが触れるとダメージを食らう。 逃走者に触れず、そのまま画面端まで逃がす事もできる。この場合はボーナスもペナルティも無い。 「プレートボーナス」 アイテムであるアルファベット型の「プレート」の内、指定された単語を構成する文字を全て入手すると19990点のボーナス点が入る。 使用キャラ、及びプレイ人数によって集めなければならないプレートのアルファベットに相違がある(*5)。それ以外の文字のプレートを1文字でも拾ってしまうと、プレート回収状態がリセットされてしまう。 「ニュートラルボーナス」 画面内に敵がいる状態で、しばらくニュートラル(レバー/ボタン操作を一切しない)状態を維持すると、キャラが固有のモーションを取って19990点ボーナス。ただし、点数が入るまではかなり長めで、被弾によってもキャンセルされてしまう。また、「ニュートラルボーナス対象となったことが無い敵」が新たに画面に現れない限り、再度ニュートラルボーナスを入手できない(少しスクロールを進めて新しい敵を出現させれば、再び取得可能。また、ミサイルなど破壊可能弾は敵としてカウントされない))。 「ステージクリアボーナス」 各ステージをクリアすると、プレイ結果によって様々なスコアが入手できる。 アイテムについて。 「人型の敵を近接攻撃で倒す」「特定の対象を壊す」「使用キャラがダメージをもらう、もしくはミスをする」といった行動を起こすと、何かのアイテムが出現する。 「銃アイテム」を取得すると、特殊な性能を持つメインショットを一定弾数だけ放つ事ができる(生身時のみ)。弾数が尽きると通常のメインショットに戻る。 主なアイテムは以下の通り。 銃アイテム系。なお、所持中に被弾すると、武器ゲージを消費するもののライフゲージは減らず、その間はダメージを肩代わりしてくれる。 「フレイムスロウワー (F)」…貫通弾に相当する炎を放つ。地形も敵も貫通して飛ぶが、威力自体は控えめ。 「ミサイルランチャー (M)」…攻撃力の高い六連ホーミングミサイルを放つ。連射ができないので無駄撃ちに注意。 「ラウンドチャージャー (R)」…全方位、8方向に強力な溜めショットを放てる。少し溜めて弾の大きさが最大になった所でボタンを離さないと、武器ゲージを無駄に消費するだけなので注意。 「ブーメランガン (B)」…貫通性能を持つブーメラン型の弾を放つ。威力自体も比較的強い。ボタンを押しっぱなしにしていると弾が自機の周囲を回転するが、この場合は威力が下がる。また、人型の敵を倒した際は近接攻撃扱いになるためアイテム取得等に利用するのも1つの手。 その他のアイテム。 「ライフ (L)」…ライフを少量回復してくれる。非常に貴重で、滅多に出てこない。確定で出る箇所も無いため、プレイ中全く出てこない事もある。 「パワー (P)」…3つ集めるとメインショットがパワーアップする。更に3つ集めるとフルパワー(レベル3)状態になる。 「マックスパワー(MAX)」…コンティニュー時などに出現するアイテム(ごく稀に木箱から出現する)。これ1つでパワーアップが最強になる効果。 「ウエポン (W)」…特殊武器のストックが、「各使用キャラの最大数の1割だけ」回復する。レオンとエンジェルは2発回復、ルルとトーイは1発回復。 「エネルギー (E)」…使用している銃アイテムの弾数を回復する効果。銃アイテムを持っていない時は、基本的に出現しない。 「スコアアイテム」…スコアアップ。取得のタイミングによってスコアが変わる。最低はコイン状態の50点、最高は勲章状態の19990点。 「プレート」…様々なアルファベットが書かれたプレート。効果の詳細は上記のプレートボーナスの項を参照にされたし。 ミス条件について 攻撃を受けてライフが尽きるか、制限時間が0になってしまうと1ミスとなる。制限時間はステージ開始時85カウントで、ボス戦まで進むと30カウント回復する。ミス後は制限時間30カウント回復した上でのその場復活となる。 制限時間についてはラスボス戦のみ特別ルールが設けられている。「直前の状態に関わらず必ず残り68カウントから戦闘開始」「ミスやコンティニューをしても制限時間が回復しない」「制限時間が0になってもラスボスを倒せないと残機がいくらあってもバッドエンディング直行」である。 ミスするとペナルティとしてパワーランクが1つ下がり、入手していたPアイテムが周辺にばら撒かれてしまう。また、特殊武器のストックは初期値に戻る。 コンティニュー後は途中復活での再開となる。またコンティニュー時には救済処置としてMAXアイテムが必ず出現する。 プレイヤーキャラの残数を増やすエクステンドの要素はない(スコア・アイテム共に)。 評価点 前作のシステムを踏襲しつつも、新たな要素も導入されている。 基本的な操作系統は前作とさほど変わっておらず、前作プレイヤーならばすんなり入り込める内容である。 「8方向に移動し、様々な角度から襲ってくる敵共を破壊する」というプレイスタイルは前作と全く同じである。 ただひたすらに撃ちまくるのもよし、接近攻撃でアイテムゲットを狙うもよし、スコア稼ぎに特化した上級プレイを目指すもよし、と様々な楽しみ方を持っている。 その一方で前作から変更されたシステムも幾つかある。 回避動作がジャンプに変更された影響で、前作の前転とは違い「その場から動かない状態」での回避が可能となっている。また、「ジャンプ中にレバーで使用キャラの位置を調整し、危険な着地を避けていく」というテクニックの重要度が圧倒的に増している。 前作以上にスコアラー向けの稼ぎボーナスが加えられ、「危険を冒してでも稼ぎを目指す」楽しみが増している。 ザウルスの親会社SNKがリリースしていた『メタルスラッグシリーズ』(稼働時期的には『メタルスラッグ2』)の影響を受けた要素もちらほらと…。 「乗り物に搭乗し、重量感溢れる動きで敵共を倒していく様」はまさにメタスラのノリである。また、ショックアタックはあちらでいうところのメタスラアタックと同じ攻撃手段となっている。 逃走者救出ボーナスはあちらでいうところの捕虜救出と似た様な要素であるが、本作は「彼女(逃走者)を巻き添えで攻撃すると死んでしまう」という相違点がある。 3面ボス戦BGM「地獄のエネルギー」は、『メタルスラッグ2』1面BGM「JUDGEMENT」とほぼ同じフレーズが(おそらく意図的に)使われている。作曲者は異なるのだが、ザウルスの親会社であるSNKへのオマージュと思われる。 相変わらずグラフィック・BGM周りの評価は高い。 プリレンダリング(*6)をより多用するようになったが、総合的には前作以上にグラフィックが繊細化している。 使用キャラや敵などのアニメーションパターンがより滑らかになっている。また、機械敵のパーツの多さと動きの細かさも見所の一つである。 既にハードスペック的な限界に達しつつあったMVS基板でありながらも、プリレンタリング加工と手直しによるドット絵調整の併せ技でなめらかな質感で表現されたキャラクターと背景グラフィックは高水準。 演出面の凝り様も前作以上。 「ぬめぬめと動きながら戦陣を組み襲い掛かる人型敵」「ボス戦前のアラートキャッチ」といった前作にはなかった演出面が強化されている。 その反面、前作よりもゴア表現がかなりマイルドになり、人型敵の死にバリエーションは少し減ってしまった。前作がやりすぎだったとスタッフが判断したからこうなったのかもしれない。 本作のBGMはテクノ・レイブ調の楽曲がメインとなっている。 前作のロックメイン楽曲も熱かったが、こっちはこっちで負けず劣らずの熱さである。特に最終ステージのメインBGMのハイテンションレイブ曲はアドレナリン大放出レベルのかっこよさ。 1回のプレイで唯一複数回流れるボス戦BGM「青い殺人者」(1面ボス戦、4面ボス戦BGM)は、本作を代表する一曲と言えよう。 1面の「World Wide Connection」の疾走感、敵本拠地に向かって突撃していく4面の「愛の戦士のテーマ」のカッコ良さも抜群。 スタッフロールはクラブで流れていても違和感がなさそうなハウス調楽曲というオサレっぷり。もちろん、これもかっこいい良曲である。 前作のBGMを手掛けた加瀬正紀氏と幡谷正彦氏が引続き本作のBGMを担当している。 前作よりもキャラクター描写が強くなった。 前作ではいまいち使用キャラの性格が見えにくかった反省からか、本作はキャラの会話のやり取りが増強されている。 「各ステージ開始前」「ボス戦前」「ボス撃破後」には必ず使用キャラによる会話キャッチが挟まれる。キャラ分の会話の差異はもちろん、ボス撃破時の残ライフ量による差異や二人同時プレイ時でも違う会話が用意されているというこだわり様である。 前作からボイス面も強化された。 棒読みだらけだった前作のボイスから一転、本作は凝ったセリフ回しによるボイス収録となっている。 前作同様にボイス数自体はあまり多いとはいえないが、少なくとも前作に比べると苦笑を誘う安っぽい声質からは脱却している。 その反面、倒された人型敵の断末魔は前作の痛々しい悲鳴から一変し、何故か棒読みボイスと化している。「おぅ↓ おぅ↓ おぅ↓ おぅ↓ おおぅ↓」 賛否両論点 前作よりもボリュームダウンながらも作り込み重視となった。 ボリューム面の縮小傾向化。 本作は「総7ステージ・全5ステージ構成・使用キャラ4人」であり、前作の「総17ステージ・全6~7ステージ構成・使用キャラ8人」に比べると、明らかにボリュームダウンしている。 本作のルート分岐は「ステージ2~3が2ルートに変化する」だけに留まり、ルート分岐の多彩化に関しても前作より劣っている。なお、どのルートで進もうがルート通過後のステージ変化はないが、エンディングはラスボス戦を撃破するか、制限時間が0になった状態でも倒せなかったで分岐する様になった。 プレイヤーセレクト時のチームバトル廃止に関しては、使用キャラ数縮小、及び前作からしてチームバトルの意義が薄かった事情もあり、あまり批判材料にはなっていない。 しかし、個々の作り込みという意味では前作以上に強化されている。 前作の使用キャラのメインショットは攻撃力の差異だけの性能差だったが、本作はショット性能そのものが完全差別化され、各キャラ毎に個性あるショットを撃ちまくる楽しみが増している。 使い回し素材が多かった前作と比べて大型敵のバリエーションがある程度増えた。ボス戦に至っては各ステージすべてに専属のボスが配置されている。 前作から雰囲気の変わったデザインセンス。 近未来色の強いステージ舞台。 前作は「ワイルドな戦場劇」といった趣旨の舞台だったが、本作においては「サイバーな戦場劇」といった舞台になっている。 よって、本作は近未来を意識したステージ構造が主流となり、前作の様な自然に囲まれた場面で戦う状況がほとんどない。 キャラクターデザインやメカデザインの変更点 キャラクターデザインを担当したのは前作と同じイラストレーターなのだが、前作に比べるとゲーム中のキャラクターの頭身が少し低くなり、ややコミカル色の強い外観となっている。この辺もメタスラ寄りのデザインに近づいたといえる。 また、前作のキャラは濃い目のデザインだったが、本作はそういう濃さが控えめとなり万人向けのデザインとなっている。良くいえば「デザインのクセが抑えられた」といえるし、悪くいえば「プレイヤーに媚びたデザインと化した」と解釈できる。 また、メカデザインについても丸々としたデザインが多く、配色も前作以上にパステルカラーが中心。良くも悪くも、色彩センスはかなり独特。 問題点 前作よりも難易度が高い傾向にある 敵の攻撃パターンが前作よりも増えており、ダメージをもらう機会に遭遇しやすい。 道中戦では「人型敵の出現数が増え、弾を高速でばら撒いてくる」「耐久度の高い機械敵の出現回数が増えた」といった要因により、前作以上に気が抜けない戦況となっている。 ボス戦に関しても「耐久度と攻撃バリエーションの大幅強化」により、苦戦する環境が増している。特にラスボス戦は前作のそれが可愛らしく思える程に凶悪であり、相当な慣れとパターン把握を駆使しないとノーコンティニュークリアは極めて困難である。 攻撃力の高い男性陣はラスボス本体以外の攻撃パーツを1個ずつ壊していく戦法が取れるが、女性陣は制限時間の関係で全パーツ破壊の戦法が少々難しい。 敵の攻撃によるダメージ量が全体的に高く、最高の防御力を誇るレオンでもまず4発は耐えられない。 それでありながらステージクリア時の体力回復もなく、ライフ回復アイテムも先述の通り出てくるのが運次第な上、回復量が低め。被弾せずに2~3個立て続けに取れなければダメージをリカバーできない。 一部の敵は即死級の攻撃をしてくる。大抵は撃つ前に長めのチャージがあったりと分かりやすいが、ラスボスの時限爆弾攻撃など、見た目では分かりにくい攻撃もある。 前作と比べ、ストーリー描写は若干オミットされてしまった節がある 前作はステージクリア後に悪役側の視線によるイベントが挟まれたが、本作では一切発生しなくなった。 これにより「どういう環境でストーリーが進んでいるのか」という描写が薄くなり、やや事務的なステージ進行になってしまった。 また、前作では簡素とはいえ使用キャラによる個別エンディングが用意されていたが、本作ではそれが廃され全キャラ共通のエンディングである(*7)。 いまいち存在感の薄い黒幕達 本作の黒幕であるナカトミと、彼を影で操る真の黒幕であるスネーク将軍の存在感がどうも薄い。 ナカトミはステージ4のボス戦前で初登場し、ラスボス戦前までは余裕を見せるが、その後はあっさりと退場してしまい、どうも存在が中途半端になっている気がする。 真の黒幕であるスネーク将軍に関してもラスボス戦前に初登場するが、ほぼ何の前触れもなく登場する(一応オープニングデモに少し映っている)ので、一見では「あんた誰?」みたいな存在にしか見えない。 ステージ序盤から悪事を働き、その強烈なビジュアルで嫌でも忘れられない風貌を見せ付けた前作の黒幕「首領」に比べると、どうしても彼らの悪役としての存在感は見劣りしてしまう。 ナカトミ・真の黒幕スネーク将軍共にその容姿は非常にかっこよく、外見上では悪のカリスマになれる素質は持っているはずなのだが…。 ハイスコア稼ぎを突き詰めると、不可解な仕様が壁となり真面目に稼ぐ事がほぼ不可能になる 具体的には、「敵を倒した時に出現するアイテムがランダム(*8)」という一点にハイスコア争いの問題点が集約される。 スコアアイテムは最高で1個19990点だが、最高5000点しかもらえない「スコアアイテム以外」が出現した時点でスコアに大幅なロスが発生する。ハッキリ言って理不尽な運ゲー。 なお、ゲーム終了時に腕前の指針として表示される階級は大まかにはスコア依存なのだが、最高階級「GENERAL OF THE ARMY」(元帥)はハイスコア稼ぎを始めた場合、高難度ながらもある程度常識的なスコアで達成できるようになっている。(*9) 総評 すべてにおいて進化したとはいえないものの、前作の問題点が幾らか改善された続編であり、前作同様に無難に遊べる内容となっている模様。 複数のシリーズ化がなされる事になる『メタルスラッグシリーズ』とは対照的に、ショックトルーパーズ関連は計2作品しかリリースされていない。 家庭用移植 ネオジオROM版(1998年6月24日発売、ザウルス) 前作とは違い、本作はちゃんと家庭用移植がされている。なお、ネオジオCD版や当時の現行他機種への移植はされなかった。 流石にネオジオROM版だけあって、移植度はほぼ完璧である。しかし、ネオジオROM全般の例に漏れず、定価が30,000円とかなり高額設定で購入のハードルが高すぎる難点がある。 バーチャルコンソール版はこのネオジオROM版基準での配信となっている。 アケアカNEOGEOの方は言うまでもないがMVS版ベースでの移植。